以下の緊急声明を、文科省に提出しました。
(2016.6.8 速達にて郵送)

提出先 ※クリックで開閉

1.文部科学省 大臣官房 総務課 法令審議室 長島雄大 様(陳情書受付担当)
  が「受け取り先」としてご判断された方々

2.上記1に加えて、以下の皆様
  ①教員の長時間勤務解消のための省内チームの皆様
  ②文部科学省 文部科学大臣 馳 浩 様
  ③文部科学省 初等中等教育局 局長 小松 親次郎 様
  ④文部科学省 初等中等教育局 財務課 課長 矢野 和彦 様
  ⑤文部科学省 初等中等教育局 教育課程課 課長 合田 哲雄 様
  ⑥文部科学省 スポーツ庁 政策課 課長 澤川 和宏 様
  ⑦文部科学省 文化庁 長官 青柳 正規 様
  ⑧文部科学省 科学技術・学術政策局 局長 伊藤 洋一 様
  ⑨中央教育審議会 教育課程部会 部会長 無藤 隆 様
  ⑩文部科学省 大臣官房 総務課 広報室長 鍋島 豊 様

2016.6.8

緊急声明
 「文科省さん、がっかりしました」



「文科省の部活動についての提案」に異議あり!


はじめに

 先日、文部科学省が部活動の休養日設定を提案するとの報道(朝日新聞)があり、私たちはその内容に期待しました。しかし、提案内容を確認すると、その期待はすぐに失望へと変わりました。


1.複数顧問制について

 提案には『複数の顧問を配置することなどを求める』とありますが、これに断固反対します。

 「部活動指導は大変な活動だからこそ、勤務時間外で無賃だけれどもみんなで負担を分かち合おう」という発想で、学校現場では現在も既に複数顧問制や全員顧問制が安易に取り入れられています。
 しかし、そうした体制をとるからこそ「部活動の顧問はやらねばならない」という雰囲気が生まれ、部活動の顧問をすることが強制されています。
 部活動を教員のボランティア(半強制的なサービス残業)によって運営させるままにしておきながら、なおかつ「顧問を複数にして勤務時間外の無賃の労働をみんなで分け合おう」という発想は、ブラック企業の発想と同じであると考えます。
 私たちはこのような全員顧問制や複数顧問制を問題視して署名活動を行ってきました。


 今回の文科省の提案は負担軽減策とはいえず、むしろ教員を勤務時間外の部活動指導に縛り付ける結果となることが明らかです。


 勤務時間外の部活動の指導が、無賃で教師に強制されているという現状がある以上、文科省は「教師に部活動の顧問をする/しないの選択権を保障する」旨を、文科省の責任において提言するべきです。


2.ガイドラインについて

 過剰な活動を適正化するために文科省が「ガイドライン」をつくるということのようですが、これで本当に教員の過重労働や生徒への部活動のさせすぎが解消されるとは思えません。ガイドラインには強制力がなく、守る義務がないためです。

 文科省は1997年の「運動部活動の在り方に関する調査研究報告書」において週当たり2日以上の休みをとるように示しています。しかし、この指針は全く効力を発揮することはなく、学校現場では完全に無視されています。多くの部活動で週2~3日の休養日は設定されておらず、部活動は競争の原理によって加熱の一途をたどっています。その結果として、今日の部活問題が生み出されました。
(参照:「部活週2休」有名無実化 文科省の指針

 このような背景から、文科省が再び提案する「強制力のないガイドライン」には、教員の部活動における労働環境を抜本的に改善したり生徒への部活動のさせすぎを抑制したりする効果をもたらすことを期待できません。

 文科省は強制力のないガイドラインを提示するにとどまらず、休養日を設定するよう教育委員会に指導し、学校現場に確実に休養日を守らせるよう通知を出す必要があります。

 部分的・表面的な改善策では、部活問題(部活動顧問に伴う教師の過重負担)は解決しません。


総括

 文部科学省が学校現場の様々な声に耳を傾け、『本気の改善策』を打ち出してくださることを切に願います。



▼提言に対して文科省に求めること▼


①文科省の提言の「複数の顧問を配置することなどを求める」の部分を撤回し、「部活動の顧問をする/しないの選択権を保障することを求める」とすること。

②休養日の設定については、調査結果などから必要な休養日の日数を精査し、「強制力のないガイドライン」ではなく「守るべき通知」として各学校の部活動で休養日を守らせること。

③現在の「部活動の曖昧な位置付け」についても見直しを行い、教員の労働としても、生徒への教育としても適切な活動となるよう修正すること。

④運動部/文化部の区別や、小中高等学校などの区別なく、すべての部活動および校種を対象として、確実に効果の見込める対策を講じること。

※上記4点以外については、以下の署名サイトを参照し、政策形成の参考とすること。
LinkIcon部活がブラックすぎて倒れそう… 教師に部活の顧問をする・しないの選択権を下さい!
LinkIcon生徒に部活に入部する・入部しないの自由を!入部の強制に断固反対!


平成28年6月8日
部活問題対策プロジェクト

複数顧問制 → 負担を促進









ガイドライン → 事実上無効









総論