宛先: 文部科学大臣,全国の首長(知事,市長等)

教師の卵に『部活の顧問できますか?』
の質問はしないで! 【教員採用試験】

部活問題 対策プロジェクト(教師編2)

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74パーセント。
これは「過労死ライン」を超えてサービス残業をしている中学校教師の割合です。

日本の教師の長時間労働は,ダントツの世界ワースト1位。サービス残業の最大の原因は「部活の指導」であることが明らかになっています。
放課後や土日の部活の指導は教師に不当に強制されており,部活は教師の不払い労働によって支えられています。

今や社会問題となっている,部活の顧問就任の強制などのブラック労働は,教員採用試験の段階から未来の教師に魔の手を伸ばしています。
今年も,教員採用試験のエントリーシートには「指導可能な部活動」を記入させる枠。
そして,面接官からは「あなたは部活の顧問はできますか?」という質問。
これらは,企業の就職試験での「あなたは当然サービス残業しますよね?」という質問と同じ意味をもつのです。
今どきブラック企業ですら就活生にこのような違反質問は行いません。
しかし,教育委員会は平然と就活生に問うのです。「あなたは当然サービス残業しますよね?」と。

教員採用試験でさえもこのような状況で,本当に優秀な人材が教師を目指してくれるのでしょうか?
日本の教育の質はどうなってしまうのでしょうか?
実際に,教員採用試験の倍率は激減の一途をたどっています。
ついには教師が見つからず,4月から授業が始まらない学校まで出てきている始末。
教職のブラック化は,日本の教育と子どもたちに大きな不利益をもたらしているのです。
今こそ全国の教育委員会は,就活生へのブラックな違反質問をやめ,教師に優秀な人材を確保する努力をするとともに,教師の労働環境の改善に努めていくべきです。

全国の教育委員会は,貴重な未来の教師にサービス残業を強制するような違反質問を即刻やめてください!

「部活の顧問はできますか?」「何部の指導ができますか?」等の違反質問をしないでください!


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宛先
文部科学大臣,全国の首長(知事,市長等)


 TALISの調査により,日本の教員の部活動(課外活動)に費やす時間はOECD諸国の中で最長であり,部活動の指導が教員の長時間労働の大きな原因になっていることはご存知の通りかと思います。
 また,現在の部活動の指導や運営は,教師の時間外勤務に頼りきったものです。勤務時間外の部活動の指導は「教員の自主的な活動(=教師が勝手に行っていること)」とされながらも,実態としては部活動の指導や顧問就任は教員に強制されているという問題についても懸念されていることとお察しします。

 さて,今年度の日本全国の自治体が行う教員採用試験について調べましたところ,エントリーシートシートに部活動の指導が可能かどうかを聴取する旨の欄(例:「指導可能な部活動」という欄など)のあるものが数多く見られました。
また,昨年度の教員採用試験の面接においても「採用されたら,部活動の顧問になることは可能か。」「部活動は,何部の指導ができるか。」という面接官からの質問があったという声が,数多く寄せられています。

 教員採用試験で「部活動の指導が可能か否か」を受験者に質問しているという実態は,今年度に限ったことではなく,早稲田大学の中澤篤史准教授によりますと,教員採用試験で「部活動の指導が可能か否か」を受験者に質問しているという実態は,今年度に限ったことではなく,およそ1980年頃から今日まで続いているようです。
 宮城教育大学の神谷拓准教授『運動部活動の教育学入門』(2015)によれば「採用試験では、志願者全員に対するクラブ・部活動の評価が推進(214ページ)」されてきました。

 ご存知の通り,部活動の指導は教員の勤務時間内に完了するものではなく,そのほとんどが勤務時間外に行われています。そして,教師が部活動の顧問に就任すれば,勤務時間外の指導や大会引率,部活動運営に伴う雑務などが発生し,時間外勤務が発生するのは確実な状況です。
 このような実態の中,教員採用試験において面接官が「部活動の指導が可能か否か」と受験者に質問することは,「サービス残業は可能か否か」「不払い労働に耐えられるか否か」と質問していることと同等です。法律を遵守していく立場である公務員の選考試験の質問内容として,これは非常に不適切なものであり,違反質問であると言わざるを得ません。

 つきましては,各教育委員会には,教員採用試験において,教員採用試験の受験者に「部活動の指導をできるか否か」「部活動の顧問に就任する意思があるか否か」の質問を一切することがないよう,改善を求めます。

 具体的には,以下の①~③を求めます。
① エントリーシート等,受験者が記入する書類において「部活動の指導をできるか否か」「部活動の顧問に就任する意思はあるか否か」の旨の欄を削除すること。(例:「指導可能な部活動」の欄の削除)
② 面接試験の際に,面接官による「部活動の指導をできるか否か」「部活動の顧問に就任する意思はあるか否か」の趣旨の質問を受験者に対して行わないこと。
③ 受験者の部活動歴や部活指導歴を,教員採用試験の合否に関連づけないこと。

文部科学省,全国都道府県市区町村の長は,全国の教育委員会に上記の①~③の旨を伝え,各教育委員会に,教員採用試験時に「部活の顧問や指導ができるか否か」の趣旨の質問を禁止するよう指導,指示してください。
また,文部科学省は,貴省の開催する教育長セミナーにおいて,各都道府県の教育長に上記内容を伝え,各教育委員会が採用試験において違反質問をすることがないよう改善させてください。

 さらに,採用後の教員や講師についても,サービス残業前提の働かせ方をさせないことを求めます。そのためにも,部活動の顧問をする・しないの選択権を保障してください。

 そのために,各教育委員会は各学校に対して,以下のイ,ロの項目を指導してください。

イ 学校長は,教員に次年度の顧問をする・しないの意思確認の調査を毎年行うこと。 その際,アンケート調査用紙を配布して教員に回答させるなどし,部活動の顧問を強制するような同調圧力が生じないように配慮すること。

ロ 学校長は,教員が顧問をするという選択をした場合には,教員が担当を希望する部の顧問に就任できるようにすること。